タグ「夕」の検索結果
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《prussian blue》
七色に弾ける色の洪水の中で、彼女だけがおれの目を奪う。ときめく心に反して刻々と移りゆく空の色は熱を吸収し、蒼みを帯びて醒めていく。彼女は放心したように動かない。期待だけが否応なく高まっていく。足を進める度に心臓は奇妙なほど捻れたが、深まる蒼い闇に埋もれる前におれは彼女を捕らえた。
2010.06.12-20:18
[夕][色][真澄]
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《fire red》
暮れなずむ街の灯りにぼんやりと浮かび上がる、あなたの影。見慣れたはずのシルエットが鮮やかな色彩の中で揺れる。蒼い闇に呑み込まれるにはまだ早くて、瞬きも出来ずに息を止めて立ち尽くす。影は緩やかに動き、あたしを包囲した。夢の中を歩いているように不確かな世界で、あたしは再び恋に堕ちた。
2010.06.12-20:17
[夕][色][マヤ]
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《面影橋》
あの日あなたと別れた面影橋に足を向けてしまうのが、あたしの癖のようになっていた。夕闇に桜吹雪が儚く舞っていた夢のような美しさも、蒼ざめたあなたの端正な横顔も、脳裏に焼き付いて離れない。緑色の葉を繁らせた桜にあの日の面影はないけれど、あたしの心の中には今でもあなたが住み着いている。
2010.06.01-22:35
[夏][夕][桜][マヤ]
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《nightfall》
耳を疑うような声に驚いて振り返ると、そこにきみが立っていた。夕暮れの街角、いつも通りの味気ない光景。それがこんなにも美しく見えるのは何故だろう。「どうしたんだ、突然」きみの頬は空と同じ色に染まっている。「あなたが、好きなんです」その言葉と一緒に小さな身体が腕の中に飛び込んできた。
2010.05.10-22:54
[春][夕][真澄]
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《夕映え》
ドロップのような太陽が空を茜色に染めている。あたしはアスファルトにくっきりと浮かび上がる黒い影法師を追い掛けて走り続けた。息が苦しい。でも追い着いて、今日こそ本当のことを言わなくちゃ。「待って下さい、速水さん。あなたが好きです!」美しい夕映えを背に、あなたはゆっくりと振り返った。
*若干改稿
2010.05.10-22:54
[春][夕][マヤ]