タグ「春」の検索結果
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《翠雨の恵み》雨香十五題〜11:あなたのやさしさは似ている
そっと重ねられたあなたの手のぬくもりが“もう何も心配することはないよ”と雄弁に語り掛けてくる。春の乾いた大地を潤す雨のように、あなたの愛が静かに染み込んできた。言葉を交わさなくても、触れ合うだけであなたの想いが伝わってくる。泣き出したくなるくらいのやさしさは、五月の雨に似ていた。
2011.06.22-22:22
[雨香十五題][マヤ][春][大地]
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《Looking forward to Spring》詩的20のお題〜02:時間
今はまだ硬い蕾のきみだけれど、やがて春が来ればその蕾も甘く綻ぶだろう。その日まで、おれはただ紫の影として見守るだけだ。いつか訪れるだろう春を心密かに待ち侘びて、きみの姿を追い掛ける。春の女神が冬将軍の猛威を跳ね返し大地を覆う冷たい雪が溶ける頃、きみはどんな花を咲かせるのだろうか?
2011.01.03-23:49
[詩的20のお題][真澄][春]
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《nightfall》
耳を疑うような声に驚いて振り返ると、そこにきみが立っていた。夕暮れの街角、いつも通りの味気ない光景。それがこんなにも美しく見えるのは何故だろう。「どうしたんだ、突然」きみの頬は空と同じ色に染まっている。「あなたが、好きなんです」その言葉と一緒に小さな身体が腕の中に飛び込んできた。
2010.05.10-22:54
[春][夕][真澄]
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《夕映え》
ドロップのような太陽が空を茜色に染めている。あたしはアスファルトにくっきりと浮かび上がる黒い影法師を追い掛けて走り続けた。息が苦しい。でも追い着いて、今日こそ本当のことを言わなくちゃ。「待って下さい、速水さん。あなたが好きです!」美しい夕映えを背に、あなたはゆっくりと振り返った。
*若干改稿
2010.05.10-22:54
[春][夕][マヤ]
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《総天然色》
目にも鮮やかな翠が隆盛を極める美しい庭園へと続く散歩道。きみは驚くほど派手に……コケた。またか、と苦笑しながらおれは手を差し出す。頬を薔薇色に染め恥ずかしそうに手を取るきみは、可憐な一輪の花のようで、年甲斐もなくときめく。花盗人のおれは、誰にも気付かれないようにその花を手折った。
*若干改稿
2010.05.08-23:07
[春][花][昼][真澄]
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《promenade》
萌葱色の目覚めが地をすっかり覆い尽くした春の午後。翠の天蓋から零れ落ちる木漏れ日がふたりの頭上で揺れていた。光の波動を遮るようにあなたが手を差し伸べる。その眩しいくらいの微笑みは、あたしの心臓を一瞬止め、魂を永遠に捉えた。あたしはあなたの手を取りながら、息をするのがやっとだった。
2010.05.02-00:33
[春][光][昼][マヤ]
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《花の宵》
「夜桜を観に行きたいの」と、唐突にきみが言った。「花より団子が似合うくせに」と、いつものようにおれはからかう。渋々出掛けた夜の街。桜並木を背に、きみが微笑みながら振り向く。溜め息が出るような麗しき花の宵。なのに、何故かおれの瞳は桜を映そうとはせず、ずっときみの姿を追い掛けていた。
2010.04.25-02:22
[春][桜][夜][真澄]
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《春の雨》
静かに窓を叩く小さな雨の粒が、ゆるやかな眠りを誘うように甘い旋律を奏でている。春の雨は何故かやさしくて、とても冷たくて。ふと、あなたのようだなと思う。急にどうしようもないほどのせつなさと淋しさが込み上げてきて、あなたに会いたくなったその瞬間、今度はリズミカルにドアを叩く音がした。
*若干改稿
2010.04.25-02:22
[春][雨][マヤ]