一年には「春夏秋冬」の四季がある。旧暦では三月毎に季節が変わり、「一・二・三月」は春、「四・五・六月」は夏……。そして、それぞれの季節に属する月には「初・中(仲)・晩」の文字をつけて季節をさらに細分するために使っていた。たとえば、旧暦四月は「初夏」となる。
 この方式で言うと、「八月」は秋の真ん中で「中秋」。旧暦は太陰暦なので日付はその時の月齢によく対応しているため、月の半ばである十五日はだいたいにおいて満月になる。
 古くから、日本には八月十五日に秋の澄んだ空に昇る満月を「中秋の名月」と呼んで鑑賞する風習があった。秋は収穫の時期でもあったので、その年の収穫物を月に備える風習が各地に残っており、「芋名月」などとも呼ばれている。現在、月見団子を供えるのも、芋を供えた風習の変形である。
 ところが、「八月十五日」の中秋の名月の月齢を調べてみると、実は満月でないことの方が多い(旧暦の十五日と満月の日付が一致しないことの方が多い)。だいたい半分は本当の満月の日付と旧暦八月十五日の日付が異なるのだ。
 とはいえ、「中秋の名月」は一種のお祭りなのだから「厳密に満月」である必要はない。それよりも、この時期(現在の暦の九~十月)は台風のシーズンであり、また秋の長雨の時期にも掛かるため、昔からあまり晴天率は良くなかった。
 さて、今年の「中秋の名月」。真澄とマヤのふたりは果たして名月を堪能することが出来るのだろうか?

 

…to be continued